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【実話】トヨタファイナンスで車引き上げ。個人再生で愛車を手放した日の記録

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「お車の回収日程を決めたいので、書類に必要事項を記入して返送してください」

債務整理の依頼から約1ヶ月が経った頃だった。
弁護士事務所から届いた1通のメール。
そこに書かれていたのは、ついに愛車を手放す日が来たという、あまりにも事務的な通知でした。

「ついにこの時が来たか……」

「会社の同僚になんて説明すればいいんだ」

そのことが数日、頭の中から離れない。
でも、それよりもっと切実だったのが「通勤どうしよう」のほうだった。

田舎暮らしではないけれど、仕事の関係上、朝の4時とか5時に出勤しなくてはいけない。
バスなんてまだ走っていない時間帯です。

「自転車?」
贅沢は言ってられないけど、さすがに距離がありすぎる。

「……」

眠れない夜が続きました。

この記事では、トヨタファイナンスで車を引き上げられた自分の体験と、車を失った「その後」について、正直に書きます。

今、車のローンが払えなくて震えている方へ。
「車を失ったら人生終わり」なんてことはありません。
むしろ自分は、車を手放す決断をしたことで、本当の意味で生活を立て直すことができました。


目次

なぜ車は「引き上げ」になるのか?──所有権留保という壁

「債務整理をしたら、車は必ず取られるのか?」

自分も最初はそう考えていました。
結論から言うと、車が引き上げられるかどうかは「誰が車の所有者か」によって決まります。

車検証の「所有者」欄を見てほしい

車検証を開いてみてください。
「所有者」の欄に、自分の名前が書いてありますか?

ローンで車を買った場合、ほとんどのケースで所有者は「トヨタファイナンス」や「ディーラー」になっています。
これが「所有権留保」です。

つまり、「ローンを完済するまで、車はお店のもの」
自分が毎日乗っている車は、法律上はまだ自分の所有物ではないのです。

だから、債務整理で返済ができなくなれば、持ち主(=ローン会社)が車を回収する。
悔しいけれど、それは当然の権利です。

自分の場合、購入してまだ1年ほどのほぼ新車。
当然ローンの残債は大量に残っていて、所有権留保のまっただ中でした。

受任通知から引き上げまで、どのくらいの猶予があるか

「今すぐ取りに来るの?」と不安になる方もいるでしょう。

自分のケースでは、弁護士が受任通知を出してから約1ヶ月後に、引き上げの日程調整の連絡が来ました。
受任通知が届いた瞬間にレッカーが来る、ということはありません。

一般的な流れはこうです。

  1. 弁護士が受任通知を送付 → ローン会社への返済が止まる
  2. ローン会社から弁護士へ連絡 → 車の引き上げについて協議
  3. 引き上げ日程の調整 → 書類が届き、日程を決める
  4. 車の引き渡し → 業者の引き取り or 自分でディーラーに持ち込む

この間、少なくとも数週間〜1ヶ月程度の猶予はあります。
ただし、ローンを長期滞納していた場合はもっと早い可能性もあるため、弁護士に確認してください。

自分の場合は滞納はしていなかったので、比較的穏やかなスケジュールで進みました。
それでも、「いつ取られるんだろう」という不安は、メールが届くまでずっと続いていた。


引き上げ当日:ディーラーへ「ドナドナ」しに行った日

回収の方法は2つ提示されました。

  1. 指定業者が引き取りに来る(平日昼間)
  2. 自分でディーラーへ持ち込む

平日の昼間、いつ来るかわからない業者を待つためだけに仕事を休むわけにもいかない。

悩んだ末、「自分で購入したディーラーへ持ち込む」ことを選びました。
それは、かつて笑顔で新車を納車してくれたあの店に行き、自分の失敗を晒すことを意味します。

気まずすぎる再会

約束の日。
いろいろ聞かれたらなんて答えようと、頭の中で軽くシミュレーションしながら向かいました。
せっかく買った愛車での、最後のドライブともいえない重い気持ちで。

店に入ると、購入時の担当者が笑顔で出てきた。

担当者:「いらっしゃいませ! ……あれ、今日はどうされました?」
自分:「いやー、ちょっと……色々ありまして……」

言葉を濁すと、担当者の顔から笑顔が消え、すぐに察したような表情になりました。
「あ、そうですか……。では、こちらへ」

それ以上、何も聞かれなかった。
「なんで払えなかったんですか?」とも、「残念ですね」とも言われない。
その「察して触れない優しさ」が、逆に心臓をえぐりました。

鍵を渡した瞬間の「重み」

手続きは淡々と進み、最後に鍵を渡すときが来ました。
傷のチェック、走行距離の確認。
荷物をすべて降ろした後の、妙に広く感じる車内。

ナンバープレートは、自分の誕生日にしていた。

「今までありがとうございました」

そう言って鍵を手放した瞬間、手からずっしりとした重みが消えました。
それは物理的な鍵の重さではなく、「月4万円のローンと、維持費のプレッシャー」だったのかもしれません。

「すべて自分が悪いんだ。これくらいの恥ずかしさ、なんのことはない」

帰りのバスの中で、愛車を手放した悔しさと、これで借金から解放される安堵感が交互に押し寄せてきた。
通勤の問題はまだ解決していなかったけれど、不思議と解放感のほうが上回っていました。

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車を手放して、生活はどう変わったか

車を失って人生が終わったのか?
いいえ、逆でした。
ここから生活が劇的に好転しました。

固定費が月8万円消えた

車のローンだけで月4万円。
それに加えて、ガソリン代、駐車場代、任意保険、自動車税……。
改めて計算したら、自分は車のために毎月7〜8万円も働いていた。

この出費がまるごとゼロになった。

浮いた分は、すべて他の借金返済と生活費に回せるようになりました。
月8万円のインパクトは巨大です。
正直、この時点で「車を手放して正解だった」と感じ始めていた。

社長へのカミングアウトと、営業車という救い

車がないと通勤ができません。
朝4時、5時の出勤に公共交通機関は使えない。

覚悟を決めて、社長にだけ事情を打ち明けました。
「実は、債務整理で車を手放すことになりまして……」

怒られるか、呆れられるかと覚悟していた。
でも、社長の反応は予想と違いました。

「そうか、大変だったな。仕事に穴を開けなきゃいいよ。会社の営業車、空いてるから使いなさい」

捨てる神あれば拾う神あり。

見栄を張って隠し通そうとしていたら、通勤手段を失って仕事まで失っていたかもしれない。
「どうせバレるなら、キーマンにだけは正直に話す」
この判断が、自分の生活を守りました。


唯一の後悔──「車を残したい」が判断を1年半遅らせた

生活は回っている。車がなくても日常は続いている。
でも、一つだけ後悔していることがあります。

「車を残したい」という執着で、最初から個人再生を選ばなかったこと。

任意整理に40万円と1年半を費やした代償

自分は当初、「任意整理でなんとかなるかも」と考えていました。
理由は単純です。任意整理なら、所有権留保のない車は手元に残せる可能性があったから。

「この車だけは守りたい。まだ買ったばかりだし。」

その執着が、判断を鈍らせた。

任意整理で半年かけて和解を成立させたものの、毎月の返済額は想定以上にきつかった。
結局、返済が続かず個人再生に切り替えることになり、車も手放すことになった。

任意整理に費やした時間は、約1年半。
弁護士費用は約40万円。
(自分の場合は債権者が多かったため、この金額になりました。1〜2社ならここまではかかりません。)

あの1年半と40万円は、「車を残したい」というたった一つの執着の代償でした。

同じ轍を踏まないために

もし今、「車を残したいから任意整理を選ぼう」と考えている方がいたら、一つだけ伝えたい。

まず弁護士に「車を残せるかどうか」を正直に聞いてください。

所有権留保がある車は、基本的にどの手続きを選んでも引き上げ対象になります。
残せるかどうかは、ローンの状態と車の名義によって決まる。
「任意整理なら残せるはず」という思い込みで手続きを選ぶと、自分のように時間と費用を二重に失う可能性があります。

弁護士は「車を残したい」という相談にも慣れています。
恥ずかしいことではありません。
最初の相談で、全部打ち明けたほうがいい。


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まとめ:車はただの鉄の塊。あなたの人生のほうが重い

車を引き上げられたあの日。
自分は「人生の底」を見た気がしました。

でも、底をついたら後は上がるだけです。

車なんて、また稼げるようになったら買えばいい。
中古の軽でも、原付でも、人間は意外となんとかなる。

もしあなたが今、「車を取られるのが怖くて債務整理できない」と悩んでいるなら、これだけは伝えたい。

あなたの命や未来より、大事な車なんて存在しません。

迷っている時間があるなら、一日でも早く弁護士に相談してください。
「車を残したい」なら尚更、滞納して引き上げ通知が来る前に動くしかない。

地獄の入り口で立ち尽くすより、車を捨ててでも出口へ走り出しましょう。
その先には、意外と身軽で、自由な暮らしが待っています。

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