あなたは今、「今月は厳しいから、家賃を遅らせてカード代を払おう」と考えていませんか?
もしそうなら、その送金ボタンを押す指を、今すぐ止めてください。
その判断が、あなたを今よりも深い、本当の「地獄」へ突き落とすトリガーになります。
借金問題で本当に怖いのは、サラ金の督促ではありません。
「住む場所」「連絡手段」「公的な信用」という、生活の根幹(ライフライン)を失うことです。
債務整理は借金を減らすための有効な手段ですが、やり方を間違えると、このライフラインまで巻き込んで破壊してしまうリスクがあります。
借金はゼロになったけれど、家もスマホも失い、給料も差し押さえられた…。
これは解決ではなく、ただの「地獄」です。
この記事では、債務整理をする際に絶対に手をつけてはいけない(あるいは慎重に扱うべき)3つの借金と、失敗しないための正しい優先順位について解説します。
私自身、多重債務の中で「何を払って何を送らせるべきか」悩み抜いた経験があります。
その経験から言える結論は一つです。
「サラ金に怒られても死なないが、ライフラインが止まれば社会的に死ぬ」
家賃の罠:借金より怖い「強制退去」
「今月はカードの支払いが厳しいから、家賃をちょっと待ってもらおう…」
この判断が、最も危険な罠の入り口です。
滞納の先に待つ「契約解除」
金融業者への支払いが遅れても、すぐに法的措置を取られることは稀です。
電話や手紙での督促が数ヶ月続くだけで、ある程度の猶予があります。
しかし、家賃は違います。
一般的に3ヶ月の滞納で、大家や管理会社は賃貸契約を解除し、明け渡し訴訟(強制退去)の手続きに入れます。
債務整理(特に個人再生や自己破産)をする際、もし家賃の滞納があると、それが「借金」として扱われます。
問題は、「滞納分だけ債務整理する(減額してもらう)」と、大家さんは契約違反を理由に退去を迫れるという点です。
住む場所がなければ再起不能
借金がなくなっても、住む家がなければ生活再建など不可能です。
しかも、家賃滞納で追い出された場合、信用情報機関(ブラックリスト)とは別の「家賃保証会社ネットワーク」に傷がつき、次の部屋を借りる審査にも通らなくなるリスクがあります。
結論:家賃は死守してください。
債務整理をする場合でも、家賃は「整理対象外」として払い続けるか、滞納分を解消してから手続きに入るのが鉄則です。
スマホの罠:現代社会からの「完全孤立」
次に危険なのが、携帯電話料金(スマホ代)です。
今の時代、スマホがないことは、単なる不便を超えて「社会的死」を意味します。
「端末代金の分割」が命取り
通話料だけの滞納なら、支払えば復活します。
しかし、多くの人がiPhoneなどの端末代金を分割払いにしているのではないでしょうか?
この「分割払い」は借金(ローン)と同じです。
もし、端末代金が残っている状態で債務整理(任意整理や自己破産)の対象にしてしまうと、クレジット契約によりスマホは強制解約・没収されます。
私の場合は、携帯代の高さが嫌でahamoに乗り換える際に端末を一括購入していたため、この罠にはハマらずに済みました。
これがもし分割払い中だったら、連絡手段を絶たれて詰んでいたかもしれません。
携帯ブラックの恐怖
「金融ブラック(カードが作れない)」は、現金やデビットカードで生活すればなんとかなります。
しかし、「携帯ブラック(スマホ契約ができない)」は生活が詰みます。
- 仕事の連絡が取れない(就職活動もできない)
- 二段階認証ができず、WEBサービスにログインできない
- 本人確認書類として使えず、銀行口座も作れない
結論:スマホは現代の命綱です。
端末代金が残っている場合は、任意整理の対象から外すなどの対策が必須です。
税金の罠:逃げ場なしの「最強債権者」
最後にして最大の罠。
それが税金(住民税、国民健康保険、年金など)です。
「役所だし、なんとなく待ってくれそう」と思っていませんか?
実は、サラ金よりもカード会社よりも、役所が一番冷酷で、手が早いです。
昔から「ヤクザより怖いのは国の組織や行政である」と言われますが、これは真実です。
裁判なしで即・差し押さえ
一般の債権者がお給料や銀行口座を差し押さえるには、裁判を起こして判決を取る必要があります。
時間も手間もかかります。
しかし、税金滞納による差し押さえには、裁判は不要です。
督促状を無視し続けると、ある日突然、法的権限によって強制的に差し押さえが実行されます。
債務整理でも「チャラにならない」
さらに恐ろしいのが、「税金は非免責債権」であるという事実です。
自己破産をして、全ての借金がゼロになったとしても、税金だけは1円も減りませんし、消えません。
自己破産後の苦しい生活の中で、容赦なく税金の取り立てが続くのです。
結論:税金からは逃げられません。
最優先で支払うか、どうしても無理ならすぐに役所へ行き、分納の相談をしてください。
「無視」が一番の地獄を見ます。
やってはいけない!自己判断の「優先順位付け」
「じゃあ、家賃とスマホだけ払って、あとは踏み倒せばいいのか?」
そう思ったあなた、ちょっと待ってください。
それを自己判断で行うと、取り返しのつかないことになります。
「偏頗弁済(へんぱべんさい)」の罠
債務整理(特に自己破産や個人再生)には、「すべての債権者を平等に扱わなければならない(債権者平等の原則)」という絶対のルールがあります。
特定の業者や、友人、親族だけに優先して返済することを「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と言います。
たとえば、「実家の母に借りた5万円だけ先に返そう」「お世話になった先輩への借金だけは…」という人情も、法律上はアウトです。
これが見つかると、自己破産そのものが許可されなくなる(免責不許可)可能性があります。
つまり、「生活を守るために家賃を払いたい」という正当な理由があっても、支払うタイミングや方法を間違えると、借金が消えなくなるのです。
債務整理を失敗しないための3箇条
ここまでの話をまとめると、以下の3箇条になります。
- ライフライン(家・スマホ・水道・電気)は死守せよ
- 借金より生活基盤を守るのが先決です。
- 税金からは逃げるな
- どうせ逃げられません。早期に対処しましょう。
- 素人判断で支払うな(交通整理を頼め)
- これらを「偏頗弁済」にならずに守るには、法的な知識が必要です。
まとめ:プロに「交通整理」を頼もう
多重債務に陥ると、思考が停止し、目先の督促から逃げることだけを考えてしまいがちです。
しかし、その逃げ場所を間違えると、家も、連絡手段も、給料も失う「逆地獄」が待っています。
債務整理は、あなたの生活を破壊するためではなく、生活を守り、再建するための制度です。
どの借金を整理して、どれを払い続けるべきか。
家やスマホを守りながら借金を減らすには、どの手続き(任意整理、個人再生、自己破産)がベストなのか。
この複雑な「交通整理」こそが、弁護士や司法書士の仕事です。
「怒られるかも」と怖がる必要はありません。
彼らは警察ではなく、あなたの味方です。
生活基盤が崩壊してしまう前に、まずは無料相談で「私の状況、どう整理すればいいですか?」と聞いてみてください。
その一言が、あなたを地獄から救い出す命綱になります。


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