「定年まであと少し。退職金が入れば、この借金も全部チャラにして、スッキリした気持ちで老後を迎えられるはずだ」
そんな風に、自分に言い聞かせている人はいませんか?
実は、それこそが、老後を「地獄」に変えてしまう、もっとも危険な誘惑なのです。
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退職金は「返済資金」ではなく、あなたの「生存資金」です
定年退職金。それは、長年勤め上げた自分へのご褒美であり、同時に、これから20年、30年と続く「残りの人生」を支えるための、たった一つの命綱です。
もし、あなたが50代で貯蓄がゼロに近い状態なら、その命綱を借金返済という名の「穴」に放り込んでしまうことの、本当の怖さを想像してみてほしいのです。
借金がなくなる。確かにその瞬間は、肩の荷が下りたような、爽やかな気分になれるかもしれません。
けれど、その翌日から、あなたを守る盾は一つもなくなります。
「借金はないけれど、手元に現金もない」
この状態のまま老後に突入することが、どれほど無防備で、恐ろしいことか。
実のところ、退職金で借金を一括返済してしまった人たちの多くが、その数年後、予期せぬ病気や家の修理、介護といった「予期せぬ支出」に直面し、再び借金を重ねるか、あるいは生活保護の申請を余儀なくされる……。
そんな現実が、すぐそばにあるのです。
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「資産を守るため」に、あえて借金を整理するという選択
「退職金があるから大丈夫」と考えるのではなく、「退職金を一円でも多く守るために、今できることは何か?」を考えてみてください。
そのもっとも有効な手段の一つが、裁判所や法律の力を借りて借金を整理する、いわゆる「債務整理」です。
正直に言えば、私は以前、「債務整理なんて、人生の負け組がすることだ」と思い込んでいました。
けれど、今は違います。
退職金という、あなたの「最後の砦」を死守するために、法的な手続きによって借金を圧縮したり、免除したりすることは、決して逃げではありません。
むしろ、老後の生活という守るべきもののために行う、最高に理知的な「攻めの損切り」だと思うのです。
一括返済で退職金を食いつぶす前に、まずは「自分の退職金を、どうすれば手元に残せるか」という視点で、専門家に相談してほしい。
その決断が、あなたの老後を「消化試合」にするか、それとも「穏やかな余生」にするかの、大きな分かれ道になります。
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正直に言えば、私も「なんとかなる」と思っていました
かつての私は、迫り来る定年を前に、のらりくらりと現実から目を逸らしていました。
「退職金が入れば、アメックスのあのリボ払いも、消費者金融のあの残高も、全部消えてなくなる。だから今、この苦しみを耐え抜けばいいんだ」と。
けれど、それは単なる現実逃避に過ぎませんでした。
疲弊していく心と、減ることのない利息。そのまま定年を迎えていたら、私は今頃、本当の意味で路頭に迷っていたことでしょう。
中途半端に「自分のお金」で解決しようとするのではなく、もっと早く「社会の仕組み(制度)」を頼ればよかった。
今、手元にある現金の範囲で、誰にも追われることなく、静かな夜を過ごせているのは、あの時「退職金で返せばいい」という甘い幻想を捨て、債務整理という道を選んだからです。
みなさんには、私のような後悔をしてほしくありません。
退職金は、借金を返すためのものではありません。
あなたが、あなたらしく生き抜くために、天が与えてくれた「最後の武器」なのです。
まずはその武器を、どう守り抜くか。そこから始めてみませんか?
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